一概に、費用が安い=お得な車検とは言えない。愛車のために必要な整備を怠っては、あとで大きな故障による出費が…なんてこともある。そこで主な消耗品に絞って、その部品の内容と交換時期の目安をまとめてみた。これを見れば何をいつ交換したほうがいいのかすぐわかる。

車の消耗品の交換時期を覚えておこう

車検時に受ける24カ月定期点検整備で、見積りの整備内容を理解するためには、車の整備について多少の知識があったほうがいい。特に、定期的な交換が必要な消耗品については知識を身につけておくべきだ。そこで定期的に交換が必要なパーツの交換時期と交換費用の目安をあげる。

ただし、交換費用は依頼先はもちろん車種によっても変化する。交換の際に使用するオイルやタイヤなどのグレードを上げていけば、当然のごとく費用は上昇する。費用の目安は国産乗用車で最も安く済ませたらとしたらという前提で算定している。場合によって目安の費用の数倍かかることもある。

(1)エンジンオイル
エンジン内で潤滑などを行っているオイル。古いオイルを使い続けると最悪の場合、焼きつきといった重大トラブルになる。寿命は5000km走行もしくは半年で、どちらか早く訪れたほうを優先する。現在では1万kmもしくは1年という長寿命オイルもある。

交換費用の目安(消耗品など部品代+交換工賃):4000円~
(2)エンジンオイルフィルター
エンジンオイル内の汚れを取り除いているフィルター。交換せずに使い続けると、エンジン内に汚れが増えて潤滑不良が起こる。エンジンオイル交換2回ごとというのが一般的だが、長寿命オイルの場合はオイル交換ごとに交換してもいい。

交換費用の目安(消耗品など部品代+交換工賃):2000円~
(3)ラジエター
エンジンの冷却に使われている液体。水に凍結や腐敗を防止するLLCという薬品が混入されている。古くなると水アカなどが発生し冷却能力が低下しオーバーヒートを起こす。内部の部品が錆びることもある。2年ごと(新車時は3年)に交換というのが一般的だが、新車時なら寿命が7年や11年というラジエター液も登場してきている。

交換費用の目安(消耗品など部品代+交換工賃):5000円~(全量交換した場合)
(4)ブレーキフルード(ブレーキオイル)
ブレーキペダルを踏んだ力を車輪のブレーキに伝える液体。古くなると、山道などでブレーキを多用した際にベーパーロック現象(過熱によってブレーキが利かなくなる状態)が起こりやすくなる。過激な運転をしないのなら4年ごとの交換でもいいが、安全を考えるなら2年ごと(新車時は3年)の交換がベター。

交換費用の目安(消耗品など部品代+交換工賃):4000円~
(5)ATフルード(ATF)
AT内で潤滑や変速操作を行っている液体。特に交換時期は定められていないものだが、5万km走行程度で交換すると、ATの調子が良くなることが多く、ATの寿命も延びる。

交換費用の目安(消耗品など部品代+交換工賃):6000円~
(6)デフオイル(FR車や4WD車)
FF車の場合はトランスミッションに内蔵されているが、FR車や4WD車はデフ(デファレンシャルギア)が独立していて、デフオイルで潤滑されている。ミッションオイルとともにギアオイルと呼ばれることもある。古くなると内部の歯車が滑らかに動かなくなり、部品の摩耗が進む。3万~4万km走行または3~4年ごとには交換したほうがいい。

交換費用の目安(消耗品など部品代+交換工賃):4000円~
(7)バッテリー
車に必要な電力を蓄えておくパーツ。寿命を迎えるとバッテリー上がりが起こり、エンジンがかけられなくなる。一般的には2~3年が寿命といわれているが、車の使用状況やメンテナンスで寿命が大きく変化するパーツでもある。バッテリー上がりが怖ければ車検ごとに交換してもいいが、最近ではディーラーやスタンド、カー用品店などにバッテリーの能力を判断できるテスターが備えられていることが多い。こうしたテスターを利用して寿命を見極める方法もある。

交換費用の目安(消耗品など部品代+交換工賃):1万円~
(8)エアクリーナー
エンジンが使う空気中のホコリなどの異物を取り除いているフィルター。詰まってくると空気の流れが悪くなる。詰まり始めていても、わずかに燃費が悪化したりエンジンレスポンスが低下する程度なので、車検費用を抑えようとする整備工場の場合は、交換せずに済ませることもある。しかし、長い目で見れば古いものを使い続けるとエンジンに疲労が溜まる。4万km走行程度を寿命と考えたほうがいい。

交換費用の目安(消耗品など部品代+交換工賃):3000円~
(9)ブレーキパッド
車を減速や停止させるためにブレーキで摩擦を発生させるパーツ。ブレーキをかけるたびにすり減っていく。車の使い方で寿命が異なるため、距離や期間で寿命を判断することは難しい。新品の厚さが10mmで1mmが使用限界。定期点検などの点検によって判断したほうがいい。なお、国産車のパッドの場合はウエアインジケーターを備えていることが多く、使用限界になるとブレーキをかけるたびにチーチーやヂーヂーという音がするようになる。この音がしたら即交換が必要。そのまま使い続けると、ブレーキが使用不能になり、非常に危険。

交換費用の目安(消耗品など部品代+交換工賃):1万5000円~(4輪交換した場合)
(10)タイヤ
車を使用すれば、タイヤは少しずつ摩耗していき、溝が浅くなっていく。使用限界は溝の深さ1.6mm。これ以下になると、濡れた路面でスリップしやすくなる。溝の深さは車検でも検査される。ただし、タイヤのゴムは車を使わなくても劣化していくもの。駆動力や制動力が低下するので、溝が十分に残っていても5年程度経過したら、交換したほうがいい。

交換費用の目安(消耗品など部品代+交換工賃):4万円~(4輪交換した場合)
(11)スパークプラグ
エンジン内で火花を飛ばして着火を行っているパーツ。古くなると火花が弱くなり燃費が悪化したりパワーダウンが起こる。ただし、劣化は徐々に進むのでわかりにくいため、車検費用を抑えようとする整備工場の場合は、交換せずに済ませることもある。ベストな状態を保ちたいのなら2万~3万km走行、遅くとも4万km走行までには交換したほうがいい。なお、新車時に装着されているプラグがプラチナプラグ(白金プラグ)やイリジウムプラグであれば、寿命は10万km走行。

交換費用の目安(消耗品など部品代+交換工賃):5000円~
(12)ワイパーブレードゴム
ワイパーで実際にウインドウをぬぐっているゴムのこと。古くなってもなんとなく使えるものだが、拭き取り能力は低下している。寿命は2年程度と考えたほうがいい。状態の良いブレードゴムを使えば、撥水のウインドウコーティング剤の寿命が延びる。

交換費用の目安(消耗品など部品代+交換工賃):2000円~

上記の12個の消耗品はあくまで「主な」消耗品だ。これ以外にも車にはたくさんの部品があり、それぞれ状態や経年で交換すべきタイミングがある。見積書をもらって、もしわからない部品名が載っていたらきちんと業者に教えてもらうこと。それが費用を抑えつつ愛車の寿命を縮めない賢い方法だ。